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音の棲む場所より

音の棲む場所より

シューマン によせる詩

このページでは、5月9日初演(初演なのです)の♪シューマンアンソロジー♪
で使用するオリジナル詩を少しずつ載せていこうと思います。
これが、なんの曲で、またはどんなふうに扱われるのか?
それは、当日のお楽しみです。
ドイツ語詩のある歌曲については、逐語訳的に意味をとらえるよりも
むしろ「音楽と共生する言葉」として「韻」を重視しました。
そして、もちろんクララ&ロベルトふたりの愛の書簡が元ネタ(笑)です。
これらの言葉を「手紙」で語り合った時代。
人はもっと、美しい言葉の持つ力を信じていたのかもしれません。
ではでは第1弾・・・・・


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  陽光(ひかり)に 満ち溢れ 
  緑萌える 時代(きせつ)よ
  雲雀(ひばり)の囀りは 
  遠い空に 響くよ
  
  樹々の枝を わたる
  風の音(おと)に 心ふるえ
  
  愛は 心の奥に 
  呼吸(いき)を ひそめて
  
  やがて 時代(とき)はめぐりて 
  愛の夢を つむぐよ
  喜びと苦しみ 
  くりかえし 
  くりかえし


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  遠い空の下で
  静かに 音をつむいで
  この心 とらえる 
  きみよ
   
  イシスの女神さえ 
  その面(おも)かくす 
  ヴェールを
  君の前では、
  はずすという
 
  深い海の底で 眠る
  真珠の光りにも 似て
  ああ 
  音神(ミューズ)に愛されし 乙女よ
 
逢い見てより 
    我が ひとみ
うつすは 
    君 ただひとり
月のひかりさえ 
     色褪せるほどに
闇夜を照らすは 
     君 ただ ひとり

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強い日差しに たえかねたのか
うなだれた花は 夜を待っている

月のひかりに 照らされたなら
きっと やさしく 心のひらいて

香り豊かに

ふるえる心で

そっとうちあける

花開くときを  花開くときを

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指に輝く 金(こがね)の指輪よ
この胸にだきしめて 
くちづけを 贈ろう

幼いあの日の 出会いを思いつ
苦しいあの日も いまはなつかしく

聞いて 指輪よ 嘆きの日々は
いつか 静かに よろこびに とけていく

目の前であなたが 微笑むとき
聞こえる 遠い鐘の音(おと)が 

始まり告げる 響きよ

指に輝く 金(こがね)の指輪よ
この胸にだきしめて 
そっとくちづけを 贈ろう

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いつか
君も 理解(わか)る日が来る
詠(うた)っていたのは
僕の心さ

いつも 君のひとみに
愛をささやき続けよう

Ich liebe dich.



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